6月30日(月)荷主による買いたたき

公正取引委員会は、令和7年6月24日、「令和6年度における荷主と物流事業者との取引に関する調査結果及び優越的地位の濫用事案の処理状況について」を発表しました。

そこでは、「調査の結果を踏まえ、独占禁止法上の問題につながるおそれのある行為を行った荷主646名に対し、具体的な懸念事項を明示した注意喚起文書を送付した。」と書かれています。また、「問題につながるおそれの行為」の中でも多かったのが、「不当な給付内容の変更及びやり直し」「代金の支払遅延」や「買いたたき」であるとされています。

買いたたきについては、例として、「荷主Gは、物流事業者に対し、自社工場から自社が運営する飲食店舗までの食材等の運送を委託しているところ、労務費等のコスト上昇局面にあることを認識しながら、物流事業者から、運賃の引上げを要請されなかったため、労務費等のコスト上昇分の反映の必要性について、価格交渉の場において明示的に協議することなく運賃を据え置いた。」といったものがあげられています。すなわち、物流事業者から運賃引上げの要請がなくとも、コスト上昇を認識していれば、運賃据え置くことが、独禁法上の問題になり得るという事案です。

荷主の物流事業者に対する買いたたきは大きな問題となってきましたが、このような発表をみると、公正取引委員会が買いたたきに対して厳しい姿勢であることがわかります。

今後も注視していきたいと考えています。

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